特集 保健婦とユニホーム
私にとってユニホームとは
親しみやすいふだん着を
佐々田 縫子
1
1長崎県厳原保健所
pp.550-551
発行日 1975年9月10日
Published Date 1975/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205635
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ユニホームという言葉を,なんの気なしに使い,また聞きながしていたが,"あなたにとってユニホームとは"と正面から問われてみると,意外に底深いものを改めて考えさせられた。なるほど"制服"といってしまえばそれまでだが,その意味するものは深く多様な気がする。例えば,真夏の太陽のもとで白球を追う高校野球選手のように,誇りをもって着用し,あこがれのまなざしでみられる場合もあれば,"権力"という力を発揮し,人間集団を規格化し,統制化する役割を果たした戦前の軍隊などの場合もある。
名は体をあらわし,体は名をあらわすという言葉があるが,私の制服へのイメージは,その人の職業をあらわすものだと思う。私たち医療チームにとって看護婦の白衣など,その職業をあらわす代表的なものではないかと思われる。それでは,私たち保健婦に職業をあらわすためのユニホームは……と考えてみるとき,看護婦の白衣に匹敵するほどに職業化され,一般に認識されているものではない。私の保健婦業務のなかでみたユニホームは,黒か濃紺で統一されたスーツ的なもの(夏は上衣が白)を知っているが,これも家庭訪問の便宜上,個々に制服として着用されるもので,保健婦を代表するというユニホームではなさそうである。
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