連載 在宅難病患者と家族をめぐって・2
難病患者,家族の心理・社会的特性(その1)—考察の観点をどう設定するか
鵜沢 立枝
1
1虎の門病院医療相談室
pp.166-171
発行日 1975年3月10日
Published Date 1975/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205584
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
スモンにその端を発した"難病"の対象は,その後種類を増し,厚生大臣の私的諮問機関である"特定疾患対策懇談会"の意見により,その数は昭和47年に8疾患,48年に20疾患,49年に30疾患となっている。この難病(特定疾患)対策は,調査研究と医療費助成の二本立てで昭和47年当初からすすめられている。昭和49年では,調査研究対象30疾患に対し,医療費助成の対象疾患は,30のうち10疾患にとどまっている。こうした国家施策の下で,1人の難病患者,及びその家族は,どのような生活を送っているのであろうか。
各側面から成立っているその"生活"の状態のうち,患者及びその家族の"心理・社会的側面"に焦点を合わせ考察することにより,こうした対象者に対する"援助"のあり方について考えていきたいと思う。
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.