調査報告
保健婦研修の検討
成田 栄子
1
,
飯川 貞子
1
,
緒方 よし子
1
,
竹本 和子
1
,
中村 利江
1
1日本看護協会保健婦部会熊本県支部
pp.222-226
発行日 1974年3月10日
Published Date 1974/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205455
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
保健婦の現任教育のなかで各県保健婦会の実施する研修は,施設外研修といっても,最も身近な研修としてその意義は大きなものがある。しかし現状では,その位置づけやすすめ方については具体的な方向づけもないまま,経験的に毎年の研修会を重ねている場合が多いように思われる。本県でも教育に関する事業に携われるものが教育委員(5人)という形で選ばれ,研修などの企画・運営に当たっている。
改めて,この県単位で実施する研修について考えるとき,そこには実施してきた研修の実績のみが残されていて,その結果がどう反映してきたかをつかむことは困難である。多くは新しい行政方針や医学の進歩に伴って,保健婦業務などとの関係から"こんな講義が聞きたい"といったものが多い。これらももちろん有意義で,保健婦業務の向上に役立ってきたことはいうまでもないが,保健婦教育の新しい教育課程が実施され,公衆衛生看護活動の展開が体系化されようとするとき,新しい知識のみにとどまらず,①県単位で行なうことの特微,②実際の業務に結びつくもの,③積み重ねのできる内容と方法,をとりいれた受講者主体の研修をすすめることの必要性を考え,一つのこころみを実施した。これらに対して受講者の反応および意見を客観的にとらえ,今後の研修に役立てるため質問紙調査を実施したのでここに報告する。
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.