続・講座人類生態学1
土地の人口支持力
鈴木 継美
1
1東北大学医学部公衆衛生学教室
pp.836-839
発行日 1973年11月10日
Published Date 1973/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205392
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はじめに
土地の人口支持力Carrying Capacityという言葉が,生態学・経済学の領域で用いられている。この言葉は医学・保健学の畑の人々にはあまりなじみはないだろう。しかし,たとえば地球の人口支持力はどのくらいか,将来の人口を支えられるだけの可能性があるだろうかといった議論が,最近広くなされているので,著者が思うよりはずっと一般に身近かになっているかもしれない。
土地の人口支持力とは,ある土地において生息可能な人間の数をさす言葉であるが,ここで土地とは何をさすか,生息とはどんなことなのかが問題となる。一般に人口支持力とは,ある場所の自然的条件,人々の用いる技術,社会的制度などが不変である場合に,半永久的な意味で,そこでの人口のサイズがどの位であるかを想定している。
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