事例研究
与薬援助から見た訪問事例の検討
井上 昭子
1
,
塩満 和子
2
,
田口 和子
3
,
山本 フサ子
4
,
桑野 タイ子
5
,
芳賀沼 俊子
5
,
松井 清江
5
1埼玉県中央保健所
2埼玉県川口保健所
3埼玉県大宮保健所
4埼玉県立精神衛生センター
5埼玉県立厚生専門学院
pp.784-789
発行日 1973年10月10日
Published Date 1973/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205378
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はじめに
保健婦が個々のケースに行なう健康回復への援助の一つとして,ケースが医師の指示する治療を理解し,受け入れられるように助ける役割がある。我々が訪問援助をしなければならないケースには,いわゆる"こげつきケース"と呼ばれるところの,医療を拒否したり,中断したりしているケースがあり,これらのケースに適切な保健指導をするにはどのようにしたら良いのか,困惑する事が少なくない。
そこで,私達は,ケースが自からの意志で必要な医療を受けようとしないのは何故なのか,又,ケースは保健婦にどんな援助を求めているのか,などを検討してみたいと思った。この事は,患者管理の問題としてケースを医療のレールにのせるという目的だけではなく,むしろ,このような場合に行なわれている保健指導の内容を具体的に検討する事によって,ケースの必要にこたえる事のできる,より適切な保健指導の構造を明らかにしたかったのである。そこで,実際の2〜3の訪問事例について,服薬に関する援助をどのように行なっているかという観点から,次のような検討を試みる事にした。
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