苦言辛言
現場の問題を住民とともに取り上げてほしい
吉原 賢二
1
1ワクチン禍研究会
pp.854-855
発行日 1973年8月10日
Published Date 1973/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205335
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はしがき
私は,流感ワクチン接種のため脳炎となり,その後心身障害児となった子供の父親なのです。昭和39年の11月にこの事件が起こったのですが,ワクチン接種の事故はまれだといわれ,臭いものにふたをするように扱われていたその当時の無念さは,いまでも忘れられません。ワクチン接種事故が相当な頻度で起こっていることをつきとめ,厚生省や都道府県に対策を立てることを要求する今日の運動の出発は,このときに始まったのでした。
私は予防接種の問題を中心にして,この欄を書いてみたいと思います。保健婦さんにとっても,予防接種は重要な仕事だと思いますが,同時にまたやっかいな重荷だとお感じになることも多いと思います。それだけに保健婦さんが地域の住民たちと対話したり,また予防接種によって重い被害を受けた子供たちの現実を知ったりすることは,必要なことだと思います。私が書くことによって,この問題に対し少しでも多く関心が高まるように希望しております。
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