増刊号 就学・就労支援
第1部 総論
1 なぜ今,「就学・就労」を取り上げるのか
山本 伸一
1
Shinichi Yamamoto
1
1一般社団法人日本作業療法士協会
pp.732-737
発行日 2025年7月20日
Published Date 2025/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590080732
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はじめに
本誌編集委員会では,以前から「就学・就労」についての増刊号を発刊すべきかどうかの議論になっていた.しかしながら,実状の把握が困難であったこと,情報数が少ないこと,増刊号のボリュームあるページ数に対応できないこと等から見送られてきたのが現状である.
私自身,38年間リハビリテーション病院に常勤で勤め,今も非常勤として現場に立っているが,これまでには患者の具体的な就学・就労が進まないこともしばしばであった.他職種に受け入れられない,就学・就労先の上長の理解が得られない,患者本人とご家族の希望のギャップがある等,これらもまた現実である.しかし就学・就労は,リハビリテーションの目標の大切な一つ.私たちは,ADLにばかり目を向けてはいけない.ADL獲得のその先が大切である.きっと,読者も同じような考えだと思う.
本号は,私を含めた3人の担当編集委員とお二人のゲストエディターで企画した.「今であれば,できる」,「この時点であれば,就学・就労の作業療法を世に出せる」,そのような思いが詰まっている.
本稿では,就学・就労作業療法の現状と課題を整理する.

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