声
ヘンシンにだまされてはいけない
佐々木 晃子
1
1京都市上京保健所
pp.7-8
発行日 1972年10月10日
Published Date 1972/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205150
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1.森永の態度
"……刑事上の責任はいかようであれ,弊社製品をご愛用いただき被災された方々に対する道義上の責任から,弊社はこの解決に誠意をもってあたる……"。これは,47年2月森永乳業株式会社が出した"粉乳中毒事件について"という小冊子のむすびの言葉である。
さらにこのなかでは,"……砒素入りの第2燐酸ソーダという,この恐るべき毒性のものが,図らずも弊社徳島工場に納入されたことが不幸の端緒……,かねて食品添加物の重要性を考え,試薬一級品を指定して,一級品の価格で徳島市の協和産業(株)より……,全被災者にお見舞金と粉乳を贈りました。丸山教授の発表は,臨床的調査によるものではありませんでしたが……,後遺症問題は,被災者にとってはきわめて重大な問題であり,この解決にはどうしても医学の力をお借りしなくてはなりません……,昨年末の12月15日弊社はかねてより検討をすすめてきた恒久的措置案の骨子を"守る会"へ提案し,この骨子は同会を通じて,広くマスコミにより報道……"という内容が盛られ,この冊子は広く官公庁,関係機関などに多量に配布された。
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