特集 住民とともに歩む一つの姿勢
"14年目の訪問"をめぐって
保健婦に望む
今後の活動に対する"守る会"の要望
細川 一真
1
1森永ミルク中毒の子供を守る会
pp.18-19
発行日 1972年4月10日
Published Date 1972/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205061
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丸山報告は,それまでやみのなかに閉じ込められていた森永ミルク中毒の被害児や親たちに,光明を与えた。その事件運動史上に一時期を画した重要性については,衆目の一致して認めるところである。丸山教授の指導のもとに,報告に結実した貴重な活動をされた,"事後調査の会"の養護教諭や保健婦の方々には,あらためて深い感謝と敬意を捧げる。
この活動のエネルギーは,単に人間愛とか正義感に発するだけではなく,体制に組み込まれて,自分たちの求める生き生きとした保健婦本来の活動ができなくなっていることへの怒り,そうさせているものへの挑戦に由来するものと理解できよう。そうであるからこそ,報告発表によって事後調査の会の役割は完了したのではなく,むしろこれからほんとうの戦いが始まるのである。
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