特集 学校保健と養護教諭の実態
わたしの一日
土曜日の午後,猩紅熱発生
河村 みつ
1
1東柴又小学校
pp.57-58
発行日 1971年11月10日
Published Date 1971/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204986
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解放される土曜の午後は,あすの休日につらなる週末の,最も心楽しいひとときである。帰りじたくにせわしいとき「先生うちのクラスの子供が全身に発疹が出て,医者にみせていますが,猩紅熱ではないかと届けにみえていますので」との知らせがはいる。病名は確定ではないが,念のため該当クラスおよび周辺の薬物散布を始める。
このように健康集団の集まりであっても,予測できない数々の異変がある。クラスに1人の伝染性の病気が発生すると,たちまちこれらを取り巻くグループが感染する。ついには学級閉鎖になるような事態もあって,集団は病気感染の温床のようなもろさがある。朝元気に登校した子供が悪心を訴えてきて38°以上の熱があったり,ちょっとした不手ぎわで事故を起こしたり,瞬時も心安まらぬ思いが年ごとに深くなるのは,こうした数多くの場合を経験するためであろううか。
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