声
身辺から
多田 代志子
1
1碧南市役所
pp.57
発行日 1971年10月10日
Published Date 1971/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204970
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理想の保健婦像いずこに
保健婦として市役所に勤務するようになって7年目。就職当時,保健婦は公衆衛生の曲がりかどにあると聞かされて,ちょっとさみしい気持だった。保健婦学生時代の講義では"保健婦は,地域住民のためになくてはならないたいせつな立場にある"とか,"公衆衛生の先端をいくのがこれからの保健婦だ!"とたくみなことばにあやつられ,実習先では"仕事をしていると,ほんとうに自分の担当地区がかわいいものよ"と聞かされると,調子にのって保健婦とは社会的にもまた人間的にもなんとすばらしい職業なのだろうと,内心この道に進んだことを誇りに思っていた。
この7年のあいだに保健婦無用論がとびだし,なんとも目標のはっきりしない保健婦の身分の一本化などということが論じられるようになって,理想像がもみ消されてしまったりする昨今である。
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