特集 精神障害者の家族理解のために
研究
統一体としての家族理解に関する一考察—多人数精神障害者の家族の接近から
内田 靖子
1
,
三田寺 おとめ
1
,
松野 かほる
1
,
畠山 英子
2
,
外間 邦江
2
,
有徳 のぶ
2
1国立公衆衛生院
2東京都中央保健所
pp.36-40
発行日 1971年5月10日
Published Date 1971/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204916
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はじめに
精神医療が病院中心から地域中心のあり方に移行してきている今日,在宅のまま療養する精神障害者,つまり家族と同じ屋根の下で,家族と顔をつきあわせて生活を営みながら治療,看護をうける患者の増加が予想される。一方,保健婦は家庭訪問を中心として看護活動をおこなってきたが,訪問先の家庭で健康問題をもつ個人のみならず,いろいろな意味で家族をも指導の対象としてきた。地域における精神障害への接近は,たいてい家族を介して,あるいは家族の協力によってなされる場合の多いことは従来から医療の各専門分野においても注目されている。
こうした傾向は,精神障害と家族との関係,これに対するわれわれの接近の考え方や方法を今までよりも重視し,技術化していくことの必要性をもたらしている。
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