Japanese
English
特集 精神障害と家族
精神障害者家族会について—その家族社会学的考察
A Consideration on the Famlly Association for Schizophrenic Patients through Sociological Analysis of Family
榎本 稔
1
Minoru Enomoto
1
1成増厚生病院
1Narimasu Kosei Hospital
pp.1323-1329
発行日 1973年12月15日
Published Date 1973/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202119
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I.はじめに
「家族は,人々が家族に求めるものが少ないとき,明るい集団であることができる。……しかし,家族に求めるものが大きくなった途端に,今日の家族は何の力も持っていないという事実が明らかになる」と清水1)は述べている。
さて,社会は常に変わり,まさに動いている。社会変動の波は,人々の心に影を落とし,さまざまな現象をひき起こす。日本においては,昭和30年代に高度経済成長のもと,産業化・都市化が急速に進み,大量生産,大量消費の時代が到来した。それとともに,マス・メディアは異常なまで発達し,社会はいわゆる大衆社会状況へと移行してきたのである。ほぼ時を同じくして,日本の家族はわずか10年の間に,5人家族から4人家族になり,「核家族」化への道を歩み始めた(平均世帯人員は昭和30年の4.97人から,昭和40年4.08人,昭和47年3.7人へと減少傾向にある)。
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