ルポ
無限の可能性を信じて—第一・第二びわこ学園職員の腰痛症に想う
田村 俊樹
pp.50-51
発行日 1971年1月10日
Published Date 1971/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204830
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腰痛症という言葉をわたしは重症心身障害児施設で知った。重労働をしたり,疲労の積重ねにより腰が痛むものだが,外見に現われない症状は一見とらえどころがないだけにやっかいで,本人は相当つらいものであるらしい。この腰痛を訴える人たちが社会福祉施設で働らく職員のなかに多くなってきている。
二重・三重に障害をもった子どもたちは,これまで家庭に放置されてきたが,近年,とりあえずといった形も含めて重症心身障害児療育施設ができてきた。同時にさまざまな活動・マスコミを通じ,その実態が知らされるようになった。だが,まだまだ現実は極端に少ない施設に,はいりたくてもはいれないのが実情だし,ニュースやなんかでそんな話しを聞きもするが,実際あんな苦しい格好で生きているより,いっそ死んだほうがましではないのか,と考えていたり,あまり自分に関係ないことだから知る必要もないといった人が一般に多いようだ。
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