特別掲載
町村保健婦の業務計画のたて方—その研究指導例
坪田 静子
1
1北海道衛生部医務課看護係
pp.38-48
発行日 1970年9月10日
Published Date 1970/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204751
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I.研究指導のねらい
保健婦業務が家族を中心とした保健指導であることは,その発生から現在に至るまで一貫して変らぬものではあるが,その業務をすすめる手段方法において必らずしも合理的かつ効率的であったとはいえない。また,わが国では医療機関に属する保健婦は少なく,そのほとんどは行政機構の末端の場で活動している現状である。そのために,その時代,社会の要請に応じた公衆衛生活動推進の中で,保健婦活動を主体的にすすめようとするときに,保健婦自身のみが納得し努力しても,それが為政者や住民に理解され得るものでなければ正当な評価は受け難いことが,歴史を通して考えさせられるのである。
とくに狭い範囲の地域や,対象者に実施する保健婦活動であれば,過去の開拓保健婦のように,それなりの労苦や苦悩はあったにせよ,自己の満足と,それなりの評価は得られ易かった。しかし広大な行政区画の市町村の中で何千人何万人もの人口を担当している市町村(または国保)保健婦の場合は,その活動方法によっては存在価値すら疑われる悲劇を生むことがありうる。
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