特集 国際会議にちなんで
話しあい そのⅡ
激動する農村社会のなかで—長野県の町村保健婦活動をきく
山本 和子
1
,
岩浅 恵美子
2
,
宮沢 〆子
3
,
龍野 由子
4
1大岡村役場
2戸倉町役場
3鬼無里村役場
4信濃町役場
pp.30-41
発行日 1969年12月10日
Published Date 1969/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204547
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保健所の立て直しを望む
龍野 きょうは私,ここへ来るについて,私のところのことし卒業した2人の意見をききました。こういうことをいうんです。確かに雑然とした交通整理というか,はきだめ掃除係というか,そういうものにはがまんがならない。それを現在の社会体制を認めた上で何とかしようと思うなら,どうしても保健所の立て直しという住民にもつともつとこたえられる保健所の体制を確立することが一番いいんじゃないかという意見になったんですが。町村では社会資源の点でもう絶対に限界がすぐそこにある。そういう点で保健所ですと社会資源とか行政の中での役割りをかなりはつきりさせることができますから,何とか保健所を立て直すべきで,現在の保健所のどこに欠陥があるかといえば,あまりにも官僚的な,住民の健康を守るということを感情的に押しつけ過ぎるということで,健康というものは感情では守れないんじゃないか,そこにギャップが出るわけです。そういう実情から脱皮する1つの方法として,非常に初歩的ではあるけれども,保健婦がもう少しいわゆる保健婦意識を持つて,自分たちがどういう役割を地域の中で果たさなければならないかを考え,活動できる体制をつくり,なおかつ自分たちも意識を変革していかなければならないというんです。
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