特集 保健婦の研究活動
研究方法について—貧血調査研究をもとに
橋本 秀子
1
1神奈川県立衛生短大
pp.29-32
発行日 1969年3月10日
Published Date 1969/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204390
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保健婦の研究とは
何によらず,現場での研究がどのようにあったらよいかを論ずることは,大へんにむずかしいことです。もちろん,それは,研究をどのように定義づけるかによって,意見がわかれるのですが,研究の必要性そのものは,ほとんどの方が疑わないところでしょう。そして,保健婦が専門職業である限り,研究の必要性は,つねにくりかえされることだと思います。
ところで,その研究を厳密に考えて,きわめて高度のものであるとか,あるいはまた,きわめて理論的なものであるとかの条件をつけると,これはすでにわたしたちの能力を脱してしまうことが多いようです。それらの研究の大部分は,職業的研究者におまかせする他はないでしょう。わたしたちとしては,現場にころがっている小さな問題ちょっとした矛盾などに目をつけて,そこから問題解決の方法,原理を学び,そうした行為の蓄積によって次第に主題を拡大していくという方法をとることがのぞましいでしょう。
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