特集 事業所の健康管理
保健婦の悩みとねがい
生命を大切に思う心を
牧野 裕子
1
1ライオン油脂厚生課
pp.22-23
発行日 1968年9月10日
Published Date 1968/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204259
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保健指導や衛生教育をしていると,ときどき魯迅の生き方を思います。
病気になるとすぐ薬にたよる心,仕事一途に病気を押し切って残業している人,そのときの楽しみのみ求めて遊ぶことに心をうばわれている若い人などに接すると,どうしたらこの人達を「生命を大切に育ててゆく心」に根本的に向けてゆくか,私の能力としては,何度も,何度もとまどいを感じます。まして,あと1年で,企業の保健婦として10年になろうとしているものにとっては,保健婦になりたての2〜3年のとき,保健指導とはちがって,もっと人間的にも深さを要求されてきていると思います。単なる医学関係の知識のみならず,巾広い人間としての勉強をしてゆかなくてはいけないと,最近痛切に感じています。この意味で医師を志し,作家となった魯迅の生き方をとても意味深く感じるのです。
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