第25回日本公衆衛生学会パネルディスカッション
家族保健指導がしやすい体制が必要—保健婦の接触の前に問題が
三沢 博人
pp.48-50
発行日 1968年4月10日
Published Date 1968/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204172
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退院時療養所側の配慮は
はじめに保健婦さんと,このケースが接触する前の段階に,すでに大きな問題があったということを感じるわけです。それは第2回目の入院が36年8月20日で,一応退院ということになっております。その退院の時点の症状をみますと,大きな空洞があって相当ひろがっている。それから菌がガフキー3号がでている。血痰もある,肺機能も相当おかされている。耐性菌がでている。こういう状態で8月20日に退院をしております。このような重症な患者が入院している家庭で,いろいろの原因で退院しなければいけない場合に,療養所側で,はたしてその退院をなんとかさげて入院が継続できるようなケースワーカーの努力等が行なわれなかったか,あるいは主治医の指導がなされなかったか,というようなことが,疑問として出てまいります。
それから退院したあと,医療をそこでポツンと中断してしまっております。しかし本人はなおかつ薬を服用している。
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