特別寄稿
中性洗剤の安全性について
柳沢 文徳
1
1東京医科歯科大学
pp.51-56
発行日 1967年9月10日
Published Date 1967/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204023
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最近,食品添加物とか食品の不純物の混入などで,こんらんしている世相をみせている。このわけは,行政当局,業者の食品,食物の本来の姿についての反省がなく,いいかえれば,食物は私どもの健康を増進するための大切なものであるという認識がなく,ただ生産向上とそれによる利潤の追求にのみよねんがないためである。食物・食品の定義を岩田久敬著「食品化学」からみると「栄養素を含んでいる物料を食品Food materialという。食品を調製し,除毒加工調理して食べられるようにしたものが食物Foodである」とされている。
中性洗剤ABSを含めて,いわゆる食品添加物は,栄養素としての意義はまったくなく,それだけでなく,必ず不健康になる因子を含んでいることからみても,本質的には食品添加物は好ましいものではないことがわかると思う。添加物が加えられた食品は,それだけ食品をマイナスのものにしているわけである。また食物でもなくなってしまう。
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