八丈の島から
第4回 島の1/4の健康(その1)
小笠原 登志子
1
,
明神 兎亀子
1
,
膳亀 和子
1
,
古川 千寿子
1
,
八代 悠紀子
1
1町立八丈病院
pp.74-75
発行日 1967年8月10日
Published Date 1967/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204011
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□何がわれわれをそこに向かわせたか?!□
「わたくしたちは病院ではたらく保健婦,助産婦として病院のお世話をしながら,病気やけがをする前にくいとめることの大切さをいつも感じております……」これは私たちがある婦人会で最近配布した質問調査用紙の書き出しである。だから病気やけがの予防について皆さんと一緒に学んでいきたい……というわけであるが,この予防活動の対象から町の総人口の1/4をこえる児童生徒をはずすわけにはもちろんいかない。本稿の第2回にもあげたが八丈町には本島に6校,小島に2校の小学校と,本島に4校,小島に2校の中学校,そして都立の高校が1校ある。児童生徒数は約3000。養護教諭は1名も配置されていない。町立病院は町立の小,中学校の校医でもあり,学校健診には医師とともに私たちも交替で出かけて行き,健診の介助をしながら自分なりの観察でいくつかの印象を持って帰る。たとえば,ある学校では脊柱や胸廓の変形が目につき,あるいは皮膚疾患が多いように思われ,またある学校では全体に体位が貧弱なのではないかという印象など……。そして夜,だれかの家に集まって東京からはるばる差し入れられたオセンベなどをバリバリやりながらこれらの漠とした印象をそれぞれが感じたままに話し合う。
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