特集 子どもの事故
災害事例にもとづく批判
須藤 春一
1
1東京大学教育学部
pp.31-38
発行日 1967年8月10日
Published Date 1967/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204002
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はしがき
古くから今もなお有力な安全教育の方法として災害事例ごとに反省や検討から得た教訓,こんな条件さえなければこのような惨事は起らなかったろうといえそうな事どもを,いろいろな方法で人びとに知らせて安全管理や安全指導に役立たせている。同じような型の事故に対してはかなりの効果が期待されるが,社会環境は目まぐるしいまでに変わっていくし,男女の服装もかなりスピーディーに変わっていく。さらに私たちの行動は必ずしも自由ではなく変化を余儀なくされていく。こうなると明日の事故は昨日の事故とは異なったタイプになる。そうなると昨日の災害事例にもとづく教訓を明日の事故防止のために忠実に守ったとしても必ずしも応用がきくとは限らない。それにしても昨日の事故の教訓はやはり実際的には事故防止に役立つであろう。このようなことを理解した上で読者とともに災害事故の事例からいくつかの教訓を導き出してみよう。
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