ナースの意見
批判にこたえて
金子 光
pp.33
発行日 1961年4月15日
Published Date 1961/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911312
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1月号の「とびら」に対する御意見を拝見しました。おつしやることはよくわかります。一つ一つそのとおりだと思います。また,御自分自身その活動の中にあつて真剣に行動していられたのでしようから,私の書いた記事はいかにも水をかけたようなかつこうになつたので,黙つていられなかつたのでしよう。私自身,言葉が足りなかつたと,反省しています。今回の争議に,看護婦が参加していたというか,その中心勢力のようになつていたということに対して,私自身が看護婦であるために,立場上私にあびせられた最も冷淡な,無理解きわまる批判について説明するつもりであつたのが,言葉不足なために,いわゆる看護の論理だけが強く出てしまつたのでした。そこで,論理は論理として別に考え,今回の問題を,看護婦が置かれている立場から,現状に立脚した社会問題として考える時には,異つた考えが生れる,といろ観点から私の考えを改めてお伝えしたいと思います。
看護婦を含めて,すべての医療関係者は,「スト権」を確保している労働者なのですから,他の一部の人がいつているように「医療関係者は特別な職業である」とかまた「医療関係者は労働者でない」などとは申しません。おつしやるとおり,立派な賃金労働者の1人でしよう。ただ私の考えとしては,その上に少しニュアンスをつけたい。
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