特集 外因死の予防
乳幼児の家庭災害
館 正知
1
,
高橋 秀雄
2
1岐阜大・公衆衛生
2東大保健学科
pp.264-268
発行日 1969年5月15日
Published Date 1969/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203871
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家庭およびその周辺の不慮の事故を家庭災害と定義する.家庭生活と密着した災害と呼んでもよいかもしれない.家庭がその防止に重大な役割を果たすべき災害である.したがって交通災害や,産業災害などとは違った態度で取り扱わねばならないものと考える.
わが国にはこのような目的で特別に家庭災害を分析した資料はない.実は全事故死の約15%が家庭災害のカテゴリーに含まれるものであり,その1/3は4歳以下の乳幼児,他の1/3は60歳以上の老人の事故である.両者ともその生活の大部分が家庭内であるからである.一方乳幼児の事故という観点からいうと,その大部分が家庭災害である.実数でいうと年間約2000名の乳幼児が家庭災害で死亡している.乳幼児の事故防止は家庭災害の防止である,といっても過言ではない.
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