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特集 「シマウマ探し」に陥らない―まれな疾患をどこまで追うか
症状
乳幼児の下痢
Diarrhea in Infants and Toddlers
山城 雄一郎
1
1順天堂大学小児科
pp.140-141
発行日 1993年2月15日
Published Date 1993/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900741
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- Abstract 文献概要
■乳幼児の下痢症は,急性と慢性(2週間以上下痢が続いている場合)に大別できる.
■急性下痢の大部分は感染性下痢であり,慢性下痢は主として小腸粘膜損傷の結果生じる吸収面積の縮少と,刷子縁酵素(乳糖分解酵素など)の活性低下に伴う消化吸収障害が原因となる.
■本邦乳児の慢性下痢は,IV型の食物アレルギー反応により小腸粘膜損傷が生じ,下痢が発症して遷延化する例が多い.
■慢性下痢症の原因の1つに,先天性膵酵素欠損症(先天性エンテロキナーゼ欠損症,先天性トリプシノーゲン欠損症,先天性リパーゼ欠損症)があるが,極めてまれな疾患であり,プライマリケアの場で初期の鑑別診断に挙げる必要はない.
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