特集 保健婦の臨床研修
富山県国保保健婦の臨床実習
直江 重雄
1
1富山県国保団体連合会事務局
pp.14-19
発行日 1967年7月10日
Published Date 1967/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203968
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
死病といわれた肺炎が,ペニシリン,オーレオマイシン,クロロマイセチンなどの抗生物質の開発によって治るようになった。チブスにかかると3ケ月も寝込んだものが,1日か2日で峠を越すようになった。心臓,腎臓,食道などの疾患に対する手術が,特殊医療機械の効用と相俟って立派に行なわれるようになった。医学,医薬の進歩発達は全く目ざましい。
この故にこそ,国民の平均寿命が20年も延びたのであろう。しかしながら,これに反立(アンチテーゼ)するかのように,病気の方も絶えず新型が出る。新薬,特効薬が発見されると,耐性の強い菌が出現して新しい病気を生む。産業の発達や産業構造の変化は公害問題を起し,ストレス病,マネージャー病,農夫症,スモン病などを始め,成人病や脳神経疾患を多く発生させる結果となっている。まことに,医学と病気の戦いはやむことなしといった現況である。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.