特別掲載 第23回公衆衛生学会シンポジウム
保健婦業務改善に関する諸問題 第23回公衆衛生学会開催・全容収録
保健婦業務の組織体系の問題
富田 テル子
1
1新潟県高田市役所
pp.149-155
発行日 1967年1月10日
Published Date 1967/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203852
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苦悩している現実
保健婦業務の組織体系ははたして現状のままでよいか。地区に働く保健婦が保健指導を忘れ,あるいは忘れさせられて行政的業務に片寄り過ぎる傾向があると言われていますが,保健婦は保健指導を忘れているのでは断じてないと私は思う。多くの保健婦は上から流れてくる仕事に身動きもできないのが現状だと思います。
保健の分野において新しい仕事は成人病の検診から血液型検査に至るまで,仕事の主体は次から次へと保健婦に押しつけられている。その事務量も決して少ないものではない。といって事務処理を行なう事務職員が配置されているところはきわめて少数です。地区に働く保健婦は他から押しつけられたり,みずからもまたかかえ込んだりの仕事に多かれ少なかれ苦悩しているのが現状です。
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