特集 疲労
私の疲労防止法
積極的に自閉からの解放を
中島 紀恵子
1
1北海道池田保健所
pp.26-28
発行日 1966年7月10日
Published Date 1966/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203690
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身心ともに疲労困憊というハメになるのは年に1度か2度くらいのものであろうか.が,私の身体は原始的にできていて"あっつかれた.おもしろくない,熱が出て2〜3日休みたいな"という逃避欲がおこると,38℃くらいの熱がちゃんとでたり,今より若いころにはいやな夢をみて嘔吐したりもした.
最近は疲労感も質的な変化をとげたらしくって,以前のように自分の内部からの毒素で,自家中毒の形をとるよりは,今にも治りそうな傷なのにウジウジといつまでも化膿している傷のようなイヤな疲労感に変ってきている.だからその防止対策にしても静かに,丁寧に,毎日少しづつ世話をしてやらなければダメになってきている.曲りなりにも現代人の仲間入りということかも知れない.ところで思うのだが,男と女とでは疲労防止法ということになるとずい分と違う,男の場合,どちらかというと独りでじっと疲労のわれ目をながめているか,パチンコや,プラモデルや,また意味なく天井をながめているといった風に独自の城を作ることでその処置をする嗜好があるようである.マージャンとか,飲みあるきとかは遊びのジャンルであるらしい.女は違う.遊びの世界と疲労解消は一心同体のようである.だからある時は家族団らんでも十分癒されるし,友人とたあいないおしゃべりをすることでその解消を試みたりする.ところで保健婦という職業がさせる疲労感は,どういう時に,どういう形で起るのだろう.
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