特集 家族保健指導の再検討
家族は社会構成の一単位ということを—家族保健指導をこう教えている
鹿野 松
1
,
山口 絢子
2
1都立保健婦助産婦学院
2東京都糀谷保健所
pp.23-26
発行日 1965年11月10日
Published Date 1965/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203499
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はじめに
公衆衛生看護の基本的な機能として,1.看護と保健指導(総合看護),2.地区の保健管理計画に参画すること,3.教育,があるが,このうち看護と保健指導は家族保健指導をめざすものである.また公衆衛生活動の基本的な単位である家族の健康を維持増進させることは,2番めの機能である地区の保健管理につながるものであり,これなくして,地区にどんなりっぱな保健計画があり,実施されても,公衆衛生の目的は果たされないと考えている.
それでは学院で家族保健指導をどう教えているかについて,簡単に概略を述べ,ご指導を仰ぎたいと思う.ご承知のように保健婦学校のカリキュラムの中には,規則にしたがって,公衆衛生看護の原理と実際(80時間)と公衆衛生看護(各論120時間)が含まれている.家族保健指導の理論と実際は,公衆衛生看護の原理と実際の中で教えられ,80時間のうち約1/4の時間をあてている.ここで,家族保健指導の必要な知識,技術,態度について教えている.家族保健指導の目的は,家族全体の身体的,精神的,社会的な健康を維持増進させることであり,この目的を達するための指導上の目標をつぎのように考えている.
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