Japanese
English
海外論文
看護の研究領域を考えるための一案
A Proposed Model for Dentifying Research Areas in Nursing
David J. Fox
,
武山 満智子
1
1元:東大分院健康指導部
pp.155-164
発行日 1969年4月15日
Published Date 1969/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200133
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
看護の知識を不可欠とする研究
看護においてどのような研究が必要とされているか,とくに,看護研究者が何をしなければならないかという問題を論ずるに当たっては,看護の諸領域を示す原型のようなものが必要と思われる。そこで私は,健康上のニードをもっ人と看護婦とが出会い,かつ相互作用を及ぼし合う過程を概念化しようと試みた。この概念化ないしは原案は,この問題の論点を明確にするうえで役だってきた。そしてまた,今後の論議の焦点ともなれば幸いである。
この原案の基礎となっている考え方についてひと言述べてみたい。私の考えでは,現在あるいは予知しうる将来においても,研究方法に関する訓練を受けた看護婦(これを看護研究者とよぶ)の数は,決して看護界で行なわれるべきすべての研究の数に追いつくことはできないだろう。つまり常に何らかの選択が必要であって,看護という職業についていえば,いかなる研究が行なわれるべきか,個々の研究者にとっては,自分の時間と訓練と才能とをどの研究に注ぎこむかを選択しなければならない。このような状況を考えた場合,ナースたちは自分で何か独自に貢献しうる研究を選ぶべきであり,そしてその独自な貢献とは研究方法上の知識ではなく,看護上の知識であると考える。
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.