社会の窓
美談の果て
野口 肇
pp.49
発行日 1965年5月10日
Published Date 1965/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203395
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交通事故にあい,意識不明のまま安産した「奇蹟の妻」これをささえた夫の愛情,それっと新聞がさわいだ.単行本がでて最低4万部は売れた.テレビは「愛・その奇蹟」と名づけて実話ドラマをながして好評だった.夫の名は野中晃治,一躍スターダムにのしあがり,少額に見積っても70〜100万円の収入をこの事件でつかんだ.
ああ,美談!殺人,誘かい,暴行ばやりの世相におしひしがれどおしの暗い世相にポツと明るい灯をともし,人びとのやさしい心根をしめらせたのである.
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