口絵
旅路の果て—老ナイチンゲール 香川みどりさん
pp.2-4
発行日 1955年9月15日
Published Date 1955/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909904
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
旅路の果てまた楽し……としよりの日が,今年もめぐつてくる。そこで,明治5年10月創立された東京都養育院を板橋に訪ねてみた。この80余年の歴史は,私達の知らないものまでも,だまつてみつめてきたことだろう。そのなかに,ナースの大先輩,香川さんが健在だ。内気な香川さんは多くを語らない。が,清潔な謙遜の美しさは,いまなお白衣の天使を思わせる。生徒のとき,病院の明暮れ,従軍のこと……香川さんの思い出は,大部分ナースの時代のことだ。そして夢もまたナースのときのことが多いという。ナイチンゲールの精神に文字通り生きぬいた香川さんは,人生の最終コースを大勢の老人たちと平和に歩いている。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.