特集 医療制度と教育
保健婦教育の展望
自然科学と社会科学の結合を前提に
上原 京子
1
1東京都田無保健所
pp.43-45
発行日 1965年4月10日
Published Date 1965/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203374
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大きくゆれ動く医療制度
この数年来,日本の医療制度は大きく転換していると思う.もちろん,それは自然のなり行きなのではなく,転換を推進している力があるからだと思うが…….昨年末から今年にかけてマスコミを大きくにぎわした医療費値上げ問題に示された医療保険制度の質の低下,病院や診療所の配置とベッド数を規制しようとする「医療機関整備6ヵ年計画」の進行,そして,看護制度をはじめとして医学教育制度,X線技師など医療従事者の体制を"抜本的"に変えようとする動き,また,職場の中にあらわれている変化など,ひじょうにめまぐるしい.私たちはこれらの問題と直面して考えさせられ,それに対していかなる態度をとるべきかの決断をせまられていると思う.日常無意識に,ほとんど機械的に行なっている業務の中に,現在の医療制度の問題がどのように反映しているか,そして,現在の医療をめぐる動向が今後業務の中にどう影響してくるのかを考えざるを得ないところに立たされていると思う.
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