特集 医療制度と教育
保健婦教育の展望
医療制度の改善なくして教育の向上はあり得ない
小峰 登
1
1群馬県保健婦専門学院
pp.40-42
発行日 1965年4月10日
Published Date 1965/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203373
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はじめに
早いもので保健婦学院に勤務してもう5年になります。なにもかもわからなくて夢中でその日その日を送った最初の2年,だんだんに自分のしている仕事の重大さを知るとともに今さらのようにそら恐しく,さりとて抜けることもならず責任の重さに喘いだつぎの2年,そして,やっと去年あたりから眼の前の道が見えてきたような気がいたします.
道が見えるということは,今までなんのためにつまづくか,なににぶっかってコブを作ったのかわからず,ただたいへんな道だ,たいへんな道だと思って歩いていたものが,道の上にころがっている石の形や大きさ,水たまりの位置や深さなども見ることができるようになってきたということです.そして同時にその道をいかに歩くか,ということもわかってきたように思います.石や水たまりをよけて上手に歩いて行くことは,一番手っとり早い苦労のない方法のように思われます.しかし,それでは後から歩いて来る人びとがまた同じ水たまりに落ち,石につまづくでしょう.どうしても先に歩く現在の私たちが,この道を平らな真直ぐな歩きよい道にしてゆかなければならないと思います.
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