PHNレーダー
精神衛生法いよいよ改正へ
C. K. J.
pp.57
発行日 1965年2月10日
Published Date 1965/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203317
- 有料閲覧
- 文献概要
医師の通報制度をめぐって,昨年大きな反対運動があったことは読者も記憶しておられるだろう.ことの次第は,その前の3月24日にライシャワー事件という突発事故があって,精神障害者の犯罪が世間の注目をあつめた.これはなんとかしなければならないということで,医師が精神障害者を診断した時には通報義務を課するまうにするという閣議の談話が新聞紙上に発表され,これに対して精神科医師をはじめ各種の団体が猛然と反対した事件である.
結局,医師の通報制度という問題だけでなく,精神障害者の医療全体を考える,つまり精神衛生法を根本的に考えなおすということで,5月9日に当時の小林厚生大臣が精神衛生審議会に,精神衛生法改正について公式に諮問を発し,これにこたえて,精神衛生審議会は7月29日にまず中間答申,そして今度1月14日に最終答申を行なった.それをうけて,厚生省事務当局は現在精神衛生法改正案の作成を急いでいる状況である,昨年春から1年ちかく話題をなげた精神衛生法もいよいよ改正の最後のコースにかかったといえるわけである.
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.