特集 公衆衛生はどう変わるか—保健所法改定を機に
[日本の公衆衛生の歴史]
保健婦活動のめざしたもの
湯澤 布矢子
1
1国立公衆衛生院公衆衛生看護学部
pp.977-981
発行日 1993年10月25日
Published Date 1993/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900817
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公衆衛生と保健婦
国民生活の向上にとって,公衆衛生は非常に重要な要素である。また国には行政として公衆衛生対策を推進する義務があることは,終戦後,制定された憲法25条にも規定されている。
終戦当時の混乱と貧困,結核をはじめとする伝染病の蔓延,栄養失調や生活環境の悪化の中で,国,県,保健所,市町村という衛生行政体制は,順次整備されていった。そこにはGHQの強力な指導があったが,当時の保健所を中心とする公衆衛生活動は力強く,昼夜にわたって続けられた。
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