特集 国保保健婦
地域保健活動における医療機関との連携—保健婦はどうとり組めばよいか
小林 軍盛
1
1群馬県国保連合会事務局
pp.52-55
発行日 1964年12月10日
Published Date 1964/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203276
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健康度の水準を上げることを念頭に
医学書院から電話で,標題のようなことでなにか書けといってきた.もともと私は事務家で,国保の仕事を通じて,県民の健康を図りたい.ことに国保の被保険者層は,低所得で生活水準も低い.従って健康度も低い,前近代的である農民層もかかえている.また近代資本主義に圧迫されて,あえいでいる中小企業といえばまだまだよいほうで,街裏でひっそり生きているというような表現が適切である零細な企業も国保の被保険者である.
最近の経済成長政策は,国保被保険者の年齢構造に,大きな変化をもたらした.いわゆる三ちゃん農業といわれるように,生産年齢にある壮年層の激減に反して,平均寿命の延長と老年失職者とを含めて,疾病率の高い老人層の占める割合はますます高くなってゆく傾向にあるので,保健活動は保険給付と並行して,活発化させなければならないということを痛感している.
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