特集 国保保健婦
佐久病院の地域保健活動
若月 俊一
1
1佐久総合病院
pp.56-61
発行日 1964年12月10日
Published Date 1964/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203277
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治療と予防とは元来が1つ
普通の病院のあり方から言えば,来院する患者,特に入院する患者の,治療ということにさえ専念すればいいわけであるのに,病院がなぜ地域保健活動をしなければならないのか.――それは一言で言えば,そういうニード(必要)が地域にあるからである.特に私どものような農村では,そのような要求が住民から強く出ている.病院でも,予防医学の仕事から公衆衛生の活動にまでタッチしなければならない実情がある.そのような社会的要請が多いのに,しかも,それを行なうところが病院のほかにはないのである.
いったい,病院の本来の使命である治療も,それをつきつめてゆけば,結局は予防の仕事に結びつかざるをえなくなるのだ.カゼを治すことは肺炎を予防することであり,腎臓炎を予防することは扁桃炎を治療することにほかならぬ.治療と予防とは元来一体なのである.
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