特集 現代社会と精神衛生
保健婦による精神衛生活動の現状
小山 節子
1
,
泉 敬子
1
1栃木保健所
pp.44-49
発行日 1964年10月10日
Published Date 1964/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203227
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保健婦の精神衛生活動のあゆみ
私たちの勤めている栃木県では,昭和36年4月に,精神衛生相談所に専任医師が着任した時から,同所の技術指導を受けて,保健所が地域の精神衛生活動を行なうことになった.そして昭和36年5月から,栃木,小山保健所が精神衛生推進地区となり,公衆衛生としての,精神衛生活動を開始した.まず最初は,各保健所に精神衛生クリニックを開設することとなり,クリニック担当の医師は精神衛生相談所長が出張してくださることになった.そこで各保健所では1名の保健婦をえらんで,県の主催による教育を受けさせてから,クリニックにおける医師の介助をすることになった.(この際の事前教育は,県立精神病院において行なわれ,教育には精神衛生相談所長,県立精神病院長,同医務局長があたり,教育内容は,精神医学の基礎知識,精神衛生と相談技術,患者面接実習,などであった.こうして昭和36年度は早期発見体制の確立と,関係職員の教育を行ない,精神衛生相談所長の側面的な技術援助のもとに,保健所の精神衛生業務は順調に進捗した.
昭和37年度には,結核の場合と同様,精神病患者の管理と指導を行なうべきだとの意見が強力となり,私たちの勤めている栃木保健所と,隣接している小山保健所で,試みに始めることになり,これらの業務活動を参考の一端として種々協議検討された上で,
・保健所が管理実施機関となること.
・技術指導は精神衛生相談所から受けること.
・一定の(最低44時間,うち1/2は精神病院実習)訓練をへた保健婦が訪問指導をする.
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