特集 保健婦
特別論文
保健婦活動の現状と展望
木下 安子
1
1東京大学医学部保健学科
pp.328-343
発行日 1971年6月15日
Published Date 1971/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204274
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はじめに
1970年10月第28回日本公衆衛生学会総会が名古屋で開かれた.なかでも多くの出席者を集めたのはシンポジウム"住民との接点における保健活動--公衆衛生看護活動を中心として--"であった.会場を埋めたのは当然ながら保健婦で,こうした会合に足をはこばせるのも,保健婦が日常活動のなかで悩み,その解決をつよく求めているからであろう.
4時間にも及ぶ討論が交わされたが,そのなかで,「保健所や自治体の枠が保健婦の活動を決定するのでなく,保健婦が主体的に住民のなかに入っていく姿勢こそ基本である.」「基本的な保健婦の姿勢,それをつらぬきとおすには,医師や上司に依存していては駄目で,教育の段階から保健婦自らの手でおこなうべきである」という"保健婦の自立性"を強調する発言が印象的であった.
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