あい・しんく・そう
看護制度に関する「中間発表」に怒る/対症療法と根治療法
渡辺
,
Y
pp.39,72
発行日 1964年10月10日
Published Date 1964/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203225
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私たちは昨年の12月以来看護制度の問題に真剣にとりくんできた.そして看護関係の専門家を加えた諮問機関の設置を強く要望した.そのためばかりではないが,10人の委員のうち5人の看護関係者をまじえた「意見をきく会」が厚生省に設けられた.私たちはこの会に対して大きな期待をかけ,さらにちょっとした集まりにも必ず保健婦の将来はいかにあるべきかを考え討議し合って意識を強め合ってきた.その会が7月29日,意見の要旨を中間発表の形で発表した.私はそのずさんな意見書に心からいかりを感じてペンをとった.
まず第1に保助看の総合教育を3年間の中にくりさげて,保健婦,助産婦は厚生省の指定した機関で研修を受けよという,まるで時代に逆行したものである.そして教育の年限を3年としているだけで,従来どおりの各種学校にするのか,大学制度にするかもはっきりしていない.保健婦についていえば「保健婦教育は看護婦教育課程における保健指導に大部分吸収されるが,地区の保健状態の把握,保健指導の技術面における修練をつむ関係上看護婦免許取得ののち,さらに厚生省において指定した施設において一定期間研修する必要がある」にいたっては,保健婦関係者をまじえた委員会の意見とは思われない.保健婦教育をこれほど軽んじたことは現在までの保健婦の活動を認めていないことである.
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