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朝3時,ニューヨークは全てが眠っている時間帯だ.そんな中,柳田は起床.大学院の研究中間発表の日(柳田は社会人大学院生の博士課程3年目).数人の大学院生が自分たちの研究について中間報告する日であり,自分の発表が始まるまで,他の院生のプレゼンを聴く.この日は日本時間で16時からスタート.そう,ニューヨーク時間で朝3時! 日本との時差13時間(サマータイム中)は何かと不便.こんな早朝に声を出すと周囲の部屋から苦情が来るのではないかという不安も抱えつつ.
オンラインで2時間ほど他の院生の発表を聴き,自分の番が来た! パワーポイントを画面共有し,プレゼンを始めた……が,スライド7枚目で「先生,スライドが動いていませんよ.」と指摘が! 早く言ってよ,マジで! 何をやってもスライド画面が次に動かず,焦る柳田.時間は過ぎていくばかり,そして焦りが増していく…….出だしにつまづき凹む柳田.とりあえず何とかプレゼンを再開.柳田の研究は,「臨床検体約1,300検体を対象にしたDNAがんゲノム解析の成功率と解析を成功させるための条件を探る」という内容だ.結果としては,DNAの品質がゲノム解析成功には重要であり,DNA濃度は解析に必要な最低限の濃度値は存在するが,それ以上の濃度は成功には相関がなかった.〔論文→The DNA integrity number and concentration are useful parameters for successful comprehensive genomic profiling test for cancer using formalin-fixed paraffin embedded tissue. Pathology International, Pathol Int. 2023 May; 73(5): 198-206.〕
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