特集 救急処置
事故
乳幼児の事故死
小山 国治
1
,
迫田 アヤ
1
,
島内 ヒサヱ
1
1鹿児島県指宿保健所
pp.46-50
発行日 1964年8月10日
Published Date 1964/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203184
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わが国の死亡率は,急速な改善により,戦後ほぼ10年間に戦前の1/2以下に減少し,昭和36年死亡率7.4の最低を示すに至りました.しかしながらこの死亡のうち,不慮の事故死は,年々増加の傾向をたどり,特に乳児期を除いて,1歳から14歳までの幼児,学童期においては,不慮の事故が死因の首位を占めています.
乳幼児の他の疾病による死亡率が近年著しく改善されているにもかかわらず,不慮の事故死が増加の傾向にあるということは,まことに悲しいことで,この防止こそ,小児の健康管理のうえから,最も大きな課題であろうと思います.しかし,これの具体的方策も立てられていない状態で,私たちの乳幼児保健指導の中にほとんどとりあげられておりません.この具体策を立てるためには,これら乳幼児事故死の実態を知る必要があるわけでありますが,これらの一部は,人口動態統計死亡票,厚生指票および母子衛生のおもなる統計,あるいは安藤氏らの報告によって,知ることはできますが,これらは,人口動態統計死亡票の追加事項以上を出ないもので十分とはいえないようであります.そこで私たちは一応人口動態統計死亡票の外因死の追加事項を参考にしながら独自の調査を行ない検討を加えてみましたので,防止策の一端になればと思い報告します.
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