特集 救急処置
事故
交通事故における幼児と保育担当者の事故要因
川村 佐知子
1
1横浜市戸塚保健所
pp.41-45
発行日 1964年8月10日
Published Date 1964/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203183
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はじめに
京浜工業地帯に隣接する当保健所管内は,近年工場が増加し,人口も急増している.これら社会的条件の変化に伴い,地区住民の健康問題も,公害・交通災害などを加えてきた1).それに従って,公衆衛生活動も,疾病予防の段階から,生活環境の整備によって防ぎうる健康問題解決へと変化してよいのではないかと考える.
管内を横断する1級1号国道は,年々交通量を増す.さらに管内工場増設で国道沿いの県道,市道もその交通量を増している.そのため大小の交通事故が発生するが,子どもの事故も多発している.現在の警察関係機関の対策は,ドライバーを対象とした取り締まり,安全教育が主であり,歩行者対策は手うすである.子どもといっても,小学生は,黄色いおばさんらの歩行時保護,学校での教育チャンスがある.しかし幼児の場合,未成熟者であり,幼児独特の遊び形態など,事故要因としての可能性が多いとみられるにもかかわらず,事故対策の対象とされることはなかった.このことから,交通事故防止対策の中で特に幼児を対象とし実状と防止対策をみいだすため,事例調査を行なった.
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