綜説
乳幼児の事故
館 正知
1
1岐阜医大公衆衛生学
pp.113-118
発行日 1964年3月15日
Published Date 1964/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202798
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
14歳以下の年令層で,不慮の事故による死亡が年間約1万件ある。この数値は,この30年間殆んど変ってない。人口10万対の死亡率では,昭和10年が42.4,昭和36年が34.3で,わずかに減少しているが,この25年間にこの年令層の病気による死亡が急速に減少したために,死亡全体の中で占める不慮の事故死の割合が著しく高くなってきた。0歳は別としてそれ以外の年令では,どの年令をとっても死因の首位を占めている。例えば,昭和36年度では1歳での事故死は全死因の29.6%,2歳で35.1,3歳で33.2,4歳で31.6%,5〜9歳で36.6%,10〜14歳で27.0%で,2位以下の肺炎,気管支炎などを大きくひきはなしている。
以上は死亡事故である。重大な後遺症を残したり,或は長期間の医療を受けなければならなかったりする事故,そのような事故が死亡事故の100〜150倍ある模様である1)。数にして莫大なものになる。
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.