学会印象記 21回臨床検査自動化学会
進展をみせる免疫化学検査の自動化
五味 邦英
1
Gomi Kunihid
1
1昭和大学医学部臨床病理学教室
pp.1653
発行日 1989年11月15日
Published Date 1989/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914190
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日本臨床検査自動化学会の第21回大会(佐々木禎一大会長:札幌医大教授)は,日本教育会館,千代田公会堂,学士会館,科学技術館(東京)で9月8日と9日の両日にわたり開催された.本学会は,①学術講演(招待講演,シンポジウム,一般演題委員会報告),②機器・試薬セミナー,③機器・試薬展示の3本の柱より構成されており,それぞれの会場において活発で,有意義なディスカッションがくりひろげられた.
まず,学術講演では開会式に引き続いて,「ドーピング検査」に関するシンポジウムが開催された.ソウルオリンピック大会ではドーピング検査の結果が大きな話題を提供し,薬剤の功罪がクローズアップされた.ドーピング検査は病院での臨床検査とあまり関係のない分野と考えていたが,今回のシンポジウムで示されたデータから,より身近な検査であると思われた.特に,最近は薬剤の分析精度の向上から,薬剤を使用する人々は検出されにくい薬剤(ペプチド,遺伝子組替えによるホルモンなど)を,今後利用するであろうという予測が話された.さらに,本シンポジウムは,ドーピング検査の分析手段,解析方法を応用すれば,スポーツ医学,薬理学の臨床検査により貢献できる可能性を示唆した.
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