私のいだく保健婦像
大きく手をつないで進もう
佐藤 房
1
1兵庫県立厚生女子専門学院
pp.16-17
発行日 1964年1月10日
Published Date 1964/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203008
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10月のなかば,医学書院から連絡をいただいて,はい,書かせていただきましょうと,さっそく元気のいいお返事を出したまではよかったのですが,それから自分の考え方をまちがいなく伝えたいために読みふけった図書は,一見仕事と関係のなさそうに思われるものばかり,締め切りが迫ってきて,保健婦としての夢は,ためらったり,ふくらんだりしながら,やっぱりゆき着くべきところにゆき着いた感じです.
14年間の保健婦生活のうち,9年ばかりを都市の保健所で働いた経験と,3年あまりの学院での仕事をふり返って,定員を満たしていたという以外に,地区の人たちの生活に結びついて役だつ仕事をしたという感じがほとんどなくて,言いようのないむなしさを覚えています.しかしこの2,3年来,その原因が都市の保健婦業務の特殊性とか,自分の無能とかだけでないことを,遅ればせながら気づき始め,もう1度出なおして仕事に取りくんでみたいという意欲が,むくむくとわいてくるような気持ちです.
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