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対ガン運動現状とゆくえ—岡山の対ガン運動を中心に
水野 肇
pp.33-40
発行日 1963年12月10日
Published Date 1963/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202992
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死亡率第2位にのし上がったガン
"対ガン運動は文明のバロメーター"といわれている.地球上で年に300万人,ざっと神奈川県の人口ぐらいがガンで消え,文明国の間では,死亡率第2位という高率であるだけに,ガン対策に躍起となるのも当然であろう.
だが,対ガン運動が必要である最大の理由は,ガンの本体がわかっておらず,治療法もはっきりしていないためであるともいえる.ガンは,早く見つけて,早くガン細胞を切りとる以外には方法がないとされている.ところが,ガンの初期症状は,シロウトにはきわめてわかりにくい.医師でも専門医でない限り見落とす率が高い.しかも,ガンは放置するとできてから1年半〜2年で死ぬとされている.たとえ初期に医師の診察を受けても,そこで見落とされれば,次に気のつくときには,もう手おくれである.いわば"ワン・チャンス"しかないわけで,これが直接"死"につながっている.
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