医療の焦点
いまこそガン対策の確立を
水野 肇
pp.50-51
発行日 1965年1月1日
Published Date 1965/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913475
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一億総ガンノイローゼ
日本では1年間に10万人,5分間に1人がガンで死んでいる。昭和28年にガンが死亡率第4位に上ってきたころからガンの早期発見—早期正治療が叫ばれはじめて,ちょうど10年の歳月がたった。だが,ガンは年々ふえ,ガンの本体究明の足がかりはまったくつかめず,早期の定義もまだ明確化されていない。一方では,ガンノイローゼが年々ふえ.国民の間では,数年前に見せた対ガン運動への熱意もさめはじめていた。
その矢先,池田首相が“前ガン状態”という診断を国立ガンセンターで受けて,総理と総裁のイスを自ら下りた。またまた,国民の間でガンへの恐怖がかき立てられている。
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