病気のミニ世界史
ガン
大熊 房太郎
pp.50
発行日 1970年5月1日
Published Date 1970/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914873
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ガンという病気は,その性質上,人類とともに起こった…と考えられていますが,記録の上に現われたのもかなり古く,ギリシャ医学の時代に医聖ヒポクラテスが著作のなかで使ったkarkinosという文字が最初であろう…といわれています。
このギリシャ語のkarkinosはドイツ語のKrebsや英語のcancerと同じく本来は蟹(かに)を意味し,それがのちにガン腫の国際学名であるcarcinomaになったわけですが,なぜヒポクラテスがガンのことをカニと命名したかといいますと,こういう説があります。
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